Review 『踊るコンテンツ・ビジネスの未来』−なぜ、ゲーム産業は踊ってない?

新さんのよるレビュー。


ゲームのモデルケースとしては「ポケモン」が繰り返し登場し、最大の成功事例として出てくる方のインタビューの中でも、強く強調されています。ただし、問題は「ポケモン」の成功の話の中心が、ほとんどマーチャダイジング(キャラクタービジネスと言い換えてもいいでしょう)の話ばかりで、オリジナルの「ポケモン」そのものがどのようにして生み出され、なぜヒットしたのか、そして、それを違ったタイトルでも持続するためには何をすればよいのかというポイントが、きれいに抜け落ちています。

一般的に「コンテンツ」と名のつく書物はゲームコンテンツに関してまともな話を読んだことが無いので信用してない。この本もやっぱりか。


日本のゲームは世界中で受け入れられているとフレーズは何度も出てきても、気がつくと、映画、アニメとマーチャダイジングの話にすり替わっているという印象がします。

要は専門外なわけですよ。書いている人の。

そのメディアの本質的特長としてもっとも広く受け入れられる可能性のある(そしてかつてはソレが実際に起きていた)ゲームの話をしないで、やれコンテンツだの、やれエンタテイメントだのと口にしているのは片腹痛い。私のような学生ですら明らかにおかしさを指摘できる、というのは如何にレベルが低いかを如実にあらわしている。

もっとも、情報が少ないために言及されなかったり、頓珍漢な結論が導き出されているという可能性はある。情報の不足、用語の不足、研究の場の不足…。そう考えると現状このようなのも致し方ないか、とも思ってしまうところだ。