SEGA link

正直微妙である。

Windows用ゲームのために仕方ないとはいえ、時代錯誤なWin&IE&ActiveXオンリーなアクセシビリティの低さ。情報過多でユーザビリティ無視な何のためにあるのか良く分からないさまざまなアクセサリの数々。出来ることが沢山あるように見える割に見えない制限が沢山あって、混乱しか招かない数世代前のWEBデザイン。何度も試みがなされてきたにもかかわらず日本では根付かなかったアバターの採用。しかも流用。ゲーム屋さんが作ったとは思えない出来だ。

目玉のゲームにしても、ブラックジャックやポーカー、マージャンで一体どこが「SEGA」linkなのか。しかも肝心のセガオリジナルのゲームは体験版レベルである。(まともに遊べるのは「ロケットロール」ぐらいだ)。

一体何が目的なのか今ひとつ見えない。サイトに来るユーザーにとってはそれは他の類似サービスと比べたときに、特に魅力もない、ということである。現時点ではサイト全体に訴求力が無い。どうも、制限つきのクローズなコミュニティサイトとしか考えていない節がある。実に残念だ。

こういったSNSライクな構造は、コンテンツのパブリッシャー、作り手側にとっては新しい”流通”になりうる。また受け手にとっては、新しい” ソーシャルな”コンピューターゲームになりうる。こういった両者お得!な状況を生み出せるポテンシャルがあるのに、それをまったく理解していないようだ。


ではどうすればよくなるのか。

まず、雑多すぎる情報を削減することから始めるべきだろう。特に存在の意味のないもの、魅力的でないものを削るべきだ。
現時点で魅力になりうるものは

それ以外は正直無くてもかまわない。掲示板、チャットぐらいはSNS的なシステムの一部としてあってもいいが、ストリーミングビデオや占い、アバターははっきり言って不要だろう。まるでSNSの中にShockwave.comを取り込んだかのような構造は疑問である。第一、これらのコンテンツは(ゲームも含めて)魅力が無い。

ゲームの場合、ライト層向けにブラックジャックやマージャンなどを用意しているのだろうが、個人的には逆効果だろうと思う。というのもこれらはトラディショナルな「いかにもゲーム」であり、ゲームを本当にやらない、ゲームに拒否感のある人たち*2が一番嫌う類のゲームである。考えてみれば、ルール説明が不親切(最初から知っているものとして話が進む)上に、最初からプレイヤー間に力量の差が出てしまい、ライトな人たちが楽しめるはずも無い。これに食いつくのはアナログゲームの”ゲーマー層”なのだ。ライト向けとしてはまったく逆効果。どうしてセガオリジナルの軽いFlashゲーム等にしないのかまったく理解できない。ライトな層の取り込みは早くも失敗している。

そういうわけで誰でも初心者で始められて(つまり、まったくのオリジナルで似たものが無い)軽くすぐ始められるセガオリジナルのカジュアルゲームを用意すべきである。きみしねFlash体験版でいいではないか。なぜあれを使わない??宣伝とファンコミュニティ作成があっという間に出来るではないか。

アバターにせよ、あの気持ち悪いアバターに愛着を抱くのは難しい。自分の写真を貼ったほうが100倍マシだ。なぜソニックなどのセガが持つ”優秀な”キャラクターにしないのか?そっちの方が「SEGA」linkではないか。なんのための「SEGA」linkなのか考え直すべきだ。なぜ中途半端なものを使うのか甚だ疑問だ。

全体的にこのサービスを利用したい!という魅力が無い。「セガ」の名前を冠している割に、まったくセガ臭がしないのもその魅力を削いでいる。

しかもクローズドベータ、ということは正式オープンの暁にはオープンにするのだろうか。となると、SNS的な魅力もまったく無くなる。追加でメンバーを1万人募集!などと言っているが、ベータ期間をのばしてクローズドのままにすべきだ。可能ならば完全にSNS化すべきだろう。


一言で言えばもっとシンプルにして、もっとセガ臭を醸し出せ、というところだ。根本から考え直さないと失敗するだろう。

*1:かつてラジ@で放送されていたある番組が復活するらしく、それ目当てで参加している人が結構いる。個人的にもネットラジオはこういったこじんまりとしたコミュニティの中で生きてくるものだと思うし、ネットラジオを前に出すSNSは珍しいので生きてくるはずだ。

*2:ゲームへの拒否感、についてはいわゆるライト層の反応と絡めて近いうちにまとめたい。