海外のWEBページを読む際に私が使うサービスやツール
全ての情報を日本語で得られればいいが、現実はまったくそんなことはなくて、世界中に広がっているインターネットであっても、「言語の壁」は大変大きなものとして存在している。大きな出来事や広く興味関心がある情報をのぞいて、各種情報は基本的には言語ごとの領域のみで流通し、違う言語圏の人間には伝わらない。
たとえば、商品としてのゲームの情報(タイトル、価格、発売日、内容、攻略情報など)は多くの人が興味関心のあることであり、また提供側が広く知らせたい意思をもっていることもあり、異なる複数の言語圏に向けて情報が提供されることが多い。一方で私が調べているようなゲーム開発やゲーム研究の情報はひとつの言語圏のなかだけで流通することが多い(それでも数年前に比べれば、メディアがGDCなどを取材する機会が増えたためにだいぶ変わってきた実感がある)。そういうときには、直接読むしかない。そこで、それを手助けしてくれるサービスやツールを紹介。
オンラインWEBページ翻訳&テキスト翻訳:「Yahoo!翻訳」
一般的に良く使われているサービスと言えば、Excite翻訳だろう。かつては私もよく利用していた。最近はもっぱらYahoo!翻訳を利用している。
参考:tnfuk [today's news from uk+]: 無料翻訳比較〜「使えるオンライン無料翻訳」はどれか。
もちろん精度が他のサービス(翻訳エンジン)に比べるとよい、と言う点もそうだが、訳が上手くいっていない時、テキスト翻訳の際のハイライト機能を使うと、どこをどう間違って訳したのかがわかり、結果的に理解の手助けツールとしてはもっとも使いやすくなっている。
メタ翻訳:「Cross Translation::色々な翻訳サイト・翻訳サービスの一括、横断翻訳(英語)」
最近見つけたサービス。どうしても難しい文の場合、ここで比較してみることでヒントになることもある。
その他:「Japanize」
Firefox用の拡張で、サービスのUIやメニューなどを日本語化する人力翻訳ツールの一種。とりあえず、Gamasutraを追加しておいた。公開から間もないので、それほど対応サービスが多いわけではないが、今後に期待するサービスである。
番外編:サービスやツールの手助けが上手くいかないときの解決法
良くある事例としては、「専門用語」である。技術系の文章では、共通していることが多いのであまり苦にならないが、それ以外の文章では専門用語は厄介な問題だ。
たとえば、The Game Design Readerや先日のCEDECのRTでも話題になった"postmortem"は普通に辞書で調べると、「検死」という訳が出てきて、意味不明な文章になってしまう。がんばって調べれば、「事後検証」という訳が出てはくるが、反省会や反省レポートなどとの微妙なニュアンスの違いは分からないので、やはり文脈を見失いがちになる。
参考:オンライン・コンピューター用語辞書より
プロジェクトでは,すべてのフェーズが終了後,プロジェクトを振り返って行う「事後検証」という意味で用いられる。 反省会は『抽象的な問題を挙げるだけ』というニュアンスなのに対し,もう少し分析的かつ緻密に行われる。 これにより,チームメンバーが問題点を共有し,解決する実際の行動が起こされることが目的。 外資系ソフトウェア会社やゲーム業界などでは広く行われているらしい。
こういうものは正直、沢山同じ分野の文章を読んで理解してゆくしかない。特に元が一般用語であったり、他の分野ではまったくちがったニュアンスで使われている場合は、経験と推測で捉えるのが現時点ではベストだろう。
もちろん闇雲に読むのではなくて、
- 案外カタカナで普通に日本語の文章で使われている場合もあるのでカタカナに直して調べる
- ドメイン指定検索などを使って分野を絞って使われている事例を示す
- 実際の文例がたくさん載っている英英辞書で調べる
といったコツはおさえておきたい。
他にも便利なツールやサービス、あるいはコツがあったら是非教えてください。