「変える」のではなく「創る」

少し前に書いた「FM-TOWNSとフリーゲーム」という記事で、フリーゲームについてちょっと言及したところ、sam113(id:samona)氏によって面白い方向に話が進んだようだ。

書こうと思っていたことの半分以上を書かれてしまったようだ。してやられた!実に興味深い話であったが、反応を書こうと思っている間に回線問題に邪魔されてタイムオーバーになってしまった。残念。

さて、特に興味深いのはポリローグ的にゲームを創ることは可能なのか、という話。単にポリローグ的制作、と言う視点であれば昔から言われてきた話で今さらであるが、コメントで議論された「ポリローグ的+ゲームの利点に特化して新たな層を狙う」と言う視点が興味深かった。

この例に近いものとして最近一部で話題のRigidChipsという「パネキット」ライクなフリーソフトが思い浮かぶ。作り手が受け手の意見を取り入れてコンテンツそれ自体が動的に発展している上に、そのシミュレータ・トイ・ゲームの境界線上にある特殊さ故に、単に受け手の意見を取り入れました!と言うだけでもない。意見を取り入れることでその特殊性をさらに特化させ、新たな層を生み出しうる。

この動的な発展具合が「ポリローグ的+利点に特化して新たな層を生み出している」状況に私には見える。「パネキット」がパッケージコンテンツであり、かつ続編が期待できないということを考えると、単なるクローンでは終わらない可能性を秘めている*1

話を戻す。

オンラインの利点と言った時に、かつてよく言われたのがコミュニケーションだったが、結局の所肩を並べてプレイすることに敵わない訳で、本当の利点は配信であってコンテンツの質には大したインパクトは無い―。そう思ってきたのだが、最近個人的に考えを改め始めている。特にWEBでベータもしくはアルファの状態で世の中に出され、使われているうちに独自の利点を伸ばして新たな層を獲得するサービスやコンテンツを見ていると、なおさらそう思うのだ。

「ポリローグ的+ゲームの利点に特化して新たな層を狙う」が可能だとすればひとつここにヒントがあるだろう。もちろんこのままではダメで、なにかもう一段階飛び越えるべきハードルがあるのではあるが。

*1:秘めているだけかもしれないが。