「ゲーム好きはゲームを作るな」という前に…

[韓国ゲーム事情#190]韓国政府,失業者問題解決のためにゲーム産業の人材育成支援を実施

super-onigiriの日記さんより。


韓国政府のゲーム産業振興に関するニュース、今まで読み流していたけど、うかつだった。

すごい意気込みだ。

どれだけ凄い意気込みかと言えば、


つまり,給料の半分を国が負担してくれるという形になる。

というくらい凄い。

韓国の場合、日本よりも国土も少なく資源も少ない。それ故比較的早く産業構造の転換を図ってきた。政府の支援が止まったらどうするの?という危うさを抱えながらも、ある程度まで産業が育てば支援は必要なくなるわけで、10年後20年後、未だに「ものつくり」などと前世紀のたわごとを口走っているどこかの国とどういった差になるのか見物である。

昨今ゲーム業界でよく聞く話として、「ゲーム好きはゲームを作るな」という話がある。作り手と受け手では思考が違うのだから、本来当然のはずなのだが、そういわざるを得ない現状がある。趣味の延長線上や、自分の自己表現の手段としてゲームを捉えている作り手のなんと多いことか。居てはいけないとは言わないが、限度というものがあるだろう。多すぎればコアな方向へ進むのは目に見えているし、現にそうなっている。いわば末期症状だ。

そんな末期症状が出始めている業界に身を投げ出そうというのは物好きしか居ない。ましてや給料は低い、「残業代って何ですか?」、社会的地位は低い、などと散々である。取り上げられることは少ないが、今の日本のゲーム業界は深刻な人材不足なのだ。「ゲーム好きはゲームを作るな」という前に、開発者の地位向上、就労環境の向上、開発職の幅広いアピールを訴えるべきであろう。寝ててもいい人材が来るほど風は吹いていないのだから。

それにしてもである。韓国の場合は政府の全面的支援があり、北米ではハリウッドを過去の産業に葬ろうかというくらいなのにである。「世界へ羽ばたく」も今は昔。本丸の優秀さによってなんとか持ちこたえているものの、外堀は完全に埋まっている。もともとたいした外堀でなかったことがここにきて致命傷を招きつつあるということだ。

*で、そんな業界に志望先を絞っている私は、馬鹿か物好きか変人のいずれかだ。