人海戦術によるゲーム開発からいかに転換するか― SIG-GT第3回研究会


冒頭挨拶に立ったIGDA日本の新清士氏は、海外ゲームベンダが質と量を兼ね備えたゲーム開発で攻勢を強めるなかで、日本のゲーム業界がこれまでの人海戦術による対抗が難しくなってくると指摘。ゲーム開発においてもMOT(マネジメント オブ/オン テクノロジ)への取り組みが必要だと語った。

痛感。実際携帯アプリゲームですらその傾向があって、将来のことを考えたら不安しか覚えない状況だ。


「ゲームに興味がある学生はこれまではゲーム会社に就職してしまっていたが、最近は大学院に残るようにもなり、今後研究が増えてくるのではないか」

オオウソ。物好きなだけの学生は残るかもしれない。だが、まともに研究しようと言う学生は残らない。残っても居場所は無い。研究仲間も居ない。ましてや、情報がないのでまともな研究が出来るとは思えない。「今後」は10年後ですか?20年後ですか?だとしたら、随分悠長な話ですね。

今、本当にアカデミックに研究をやろうと言うのであれば、近道は企業への就職だ。これ以上研究できる環境は無い。しかしながら、その研究はあくまでもビジネスに結びつく研究であって、純粋な研究ではない。ビジネスに結びつかないが、重要な研究の存在は敢えて挙げるまでも無い。本来的にはアカデミックの場で研究が出来るべきなのだが、現状では目も当てられない。

私事になるが、私は大学でゲームデザインの研究をするために東奔西走してきた。そこに費やしたリソースは決して少なくない。基本的に大学での生活は研究を基本に考えてきたので、大学生の遊びだとか、楽しみだとかそういったものとは無縁だった。だが、どんなにリソースを費やそうと、現状では単位の一つにもなりゃしない。完全なゲリラ的な活動だ。しかも、結局情報も環境も得られず、大きく遠回りをするうちに就職活動の時期に入って時間切れ。はたから見れば一人でサル踊りをする完全な道化だ。じつにばかだね。

楽観的希望や予測も結構だが、現実を見つめて欲しい。現実はアカデミックの場でアカデミックな活動が出来ないという、実に悪い冗談だ。