インタラクティブ・アート「MOVE」が興味深い

Gamasutraゲームデザインとテクノロジーの国際学会であるFuture Play 2005についてのレポートが載っていたので*1ざっと読んでみたところ、興味深いものを見つけた。

MOVE is an interactive installation divided into six distinct modules, JUMP, AVOID, CHASE, THROW, HIDE and COLLECT.

Award for best Future Gameを受賞したゲーム/インタラクティブ・アートでアブストラクトな表現が美しい。MOVEは6つのモジュールからなり、頭上からプロジェクターで地面を照らし、実際にプレイヤーが体を動かしてプレイする。サイトでは実際のプレイ中の動画が公開されているので直接見てもらいたい。個人的な好みでいえば、COLLECTが大変気に入った。

MOVEの6つのモジュール名は全て動詞から来ている。動詞、といえばナムコのゲームなどでも重要視されてきた過去がある。実際、MOVEは非常にアブストラクトだが、ゲーム*2の基本は(少なくともプレイ動画を見る限りでは)おさえられているようだ。ディテールをそぎ落としていくと究極の形がこうなるのかもしれない。

「Future Play」はその名前の通り、International Academic Conference on the Future of Game Design and Technologyとあるように、未来のゲームデザイン&テクノロジーについての学術カンファレンスである。そのカンファレンスのエキシビジョンで、「Award for best Future Game」を受賞したのが、このようなアブストラクトかつ基礎的なデザインをしている、というのは示唆深い。私には、未来のゲームをデザインするならば、基礎の基礎を見つめなおせ、と暗に忠告されている気がしてならない。

基礎なくして革新無し、初心忘るべからず。私にはまだまだ学ばなくてはならないことが多いようだ。

*1:Future Playのビデオとスライドがhttp://futureplay.org/news.php?ID=28で見られる。たとえば、Greg Costikyan氏のスライドは読みやすくて分かりやすかった。

*2:ゲームであるとはMOVEの説明に書かれていないが。