直感ヒトフデ 開発スタッフインタビュー


吉良 ゲームを売り出すには、やはり目を引くものや確固たる世界観がないと…という葛藤はありました。でもシンプルにしたいということは、萩原さんと私のなかで一致した部分だったんです。最新鋭のゲーム機で2色しか使っていないというのが、最近のゲームに対するアンチテーゼになるかなとも思いますが(笑)。

萩原 ゲームの基本・原点に帰ったものを作ろうという話になりまして。任天堂さんとしてもこれはギャンブルだったと思います。シンプルだからこそ、このゲームには「一切のごまかしがない」ということですから。

何故今のゲームが大作主義、お腹いっぱいなのかと言えば、「売れないから」という答えが帰ってくる。ファミコンの時のようなシンプルなタイトルは売れない、というのだ。ところが、ファミコンミニがヒットしたことでこの前提は崩れ去った。

結局、「売れない」のではなくて「売ろうとしていなかった」というのが正直な所だろう。ごまかしの効く、圧倒的ボリューム感でお茶を濁してきただけではなかったのか。

直感ヒトフデ」はごまかしをせず、虚飾を排し、原点へ帰るものを目指している。その試みが吉と出るか凶と出るかは分からない。だが、進むべき道にもっとも近い、ということだけはいえるのではないだろうか。